アルセスターというストラトフォード・アポン・エイヴォンの西にある町も歴史的町並みということで足を延ばして見る。
その町をうろうろとし、とりあえずは教会に入ってみる。そこで話し掛けて来た受付のおばあちゃん。私が家を見る旅をしていると話すと、おばあちゃんの家が教会の裏にあり、一時間経ったら受付番が終わるから待てるのであれば家を案内すると言ってくれる。
私はさすがに行き当たりばったりの家にいきなりお邪魔するのは避けていたのだが、とても親切そうなおばあちゃんだったため一時間後に約束する。
一時間後再開して案内してくれたのは本当に教会の裏にあるピンクの外壁の家だった。
道沿いに面している家なのでその裏はどうなっているのか想像もつかなかったが、これがとんでもなく広い。
道に面しているピンクの建物の面は約200年前のジョージアン時代に付け足されたものであり、その後ろには400年前のどオリジナル部分がある。そしてその後ろにはどこまで続くのかの思うほど大きく細長い庭が広がっている。
彼女は今あったばかりの得体のしれない私に全部屋を案内し、庭を案内し、紅茶とお菓子を出してくれた。
いきなり現れた私にご主人も好意的だった。
帰る頃になると雨が降っており、そこでまた赤い傘を貸してくれる。返さなくていいからと。その赤い傘がその町での思い出の品となった。